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月刊誌「天穹」
令和五年九月号より
主宰詠
三輪山といふ万緑の御神体
万緑や奥入瀬川の瀬のたぎつ
小流れは子らの楽園水遊び
日曜日緑蔭ごとに一家族
梔子の花の香を買ふ植木鉢 屋内修一
前主宰詠
薫風に少女弾くジャズ駅ピアノ
湖上の岩に見返りの松風涼し
木の根道辿る鞍馬の木下闇 佐々木建成
風悠
すぐそこと云ふに日傘を開きをり
風涼し更地となりし小学校 山口美智
ジャワ仏の唇厚し新樹光
手向けに似たる手花火なれば涙かな 野間しげる
副主宰詠
堂涼し法鼓どんどん熱を帯び
力石を軽々潜る寺の蟻 籠田幸鳴
仏壇の妻と語らふ冷奴
青竹に百選の水冷奴 前田勝洋
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