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月刊誌「天穹」
令和八年 主宰詠
【7月号】
草に寝るそこが桃源胡蝶舞ふ
石室に遠足の声充満す
初鰹銚子直送てふが売り
滴りを祀るや京も奥の宮
一炊の夢よぼうたん雨に散る
【6月号】
蒲公英の絮や自得も旅の人
飛石は亀や千鳥よ水温む
谷崎の墓は寂の字花浄土
春の土踏めば農の血蘇る
記念樹の子もはや知命木の芽晴
【5月号】
春立つや次々埋まる予定表
クロッカス地の歓声を聞く心地
遠雪崩地霊の声の谺とも
問はれゐる老後の初心初桜
状差しに爛漫の花種袋
【4月号】
人品のにほふ句集や冬の梅
追悼文書く手悴む夜の机
「好日」の軸一茎の水仙花
落書に才の片鱗梅早し
面影を追うて余寒の古書の街
【3月号】
団欒の声は昔日置炬燵
またもとの二人の聖夜杯合はす
芸大のベンチに毛糸編む女
まなぶたに「銀漢亭」や冬銀河
冬麗や心耳を澄ます師の句集
【2月号】
箍ゆるぶ心地や瀬戸の島小春
枯萩といふにも雅趣や祖師の寺
根深汁六腑にしむる人の恩
賑はひを煽る手締めや一の酉
天守なき城の外堀蓮の骨
【1月号】
冬支度離宮の空に縄の飛ぶ
嵐山の忽と墨絵や秋時雨
皀角子も苦吟か風に実を捩り
人の名の出で来ぬ同士暮の秋
離郷子の裾にとりつく草虱
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