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月刊誌「天穹」
令和七年誌五月号
主宰詠
牛の道阿蘇の焼野に棚をなす
道の辺の瑠璃の光彩犬ふぐり
春一番句座の新人大暴れ
文机の和紙に暁光春来る
明治座の列にちらほら春ショール
屋内修一
前主宰詠
病む妻に付き添ふ長女冬に入る
化粧せし妻の死に顔年つまる
住職からの戒名披露冬ぬくし
咳一つ杖ついてする喪主の謝辞
妻の冬帽スイーツ加へ出棺す
佐々木建成
風悠
侘助や弔問の語尾消えてゆき
片言の歌くり返すひな祭
予後の身をいとふ暇なく大試験
海風や荒鋤の田の乾きをり
宮島の干潟浄めの春の雨
山口美智
副主宰詠
銀嶺を讃へて盛ん曽我梅林
初蝶のよろよろ渡る赤信号
亀鳴くと言うて認知を疑はれ
籠田幸鳴
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