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月刊誌「天穹」
令和五年三月号より
主宰詠
侘助の咲くや口笛吹くがごと
枯柏木の呟きの葉擦れとも
井月の地や強霜の窪溜り
井月の声の空耳実千両
菰巻の松を離宮の雅とも 屋内修一
前主宰詠
虎落笛空き家になりし嘆きとも
ちやんこちやんこ着てマンションの最古参
初霜や朝餉の紅茶吹き窪め 佐々木建成
風悠
志ほどは登れず蔦枯るる
煤逃の句会となりて長引きぬ 山口美智
妻も子も何か嬉しげ春立てり
あとわづか五年で百や老いの春 野間しげる
副主宰詠
冬ざれや崩れ古墳の野面石
詩を紡ぐ俳人の如鶴歩む 籠田幸鳴
初霜や朝の茶粥に能登の塩
初霜や背の荷を下ろす朝市女 前田勝洋
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