アクアモザイク

月刊誌「天穹」
令和四年一月号より

主宰詠

新米の光吐き出す精米機

唐辛子飛騨の軒端に色深む

色変へぬ松が自得の句碑を守る

いや燃ゆる上寿の詩魂万年青の実

皀角子も風樹の嘆か実をよぢる   屋内修一 

前主宰詠

外階段の靴音固し今朝の冬​

冬夕焼褪せてビル街灯をこぼす

冬帽のボルサリーノに昭和の香   佐々木建成

風悠

木の椅子の照りや整ふ十三夜

十三夜猫は戻りて妹が膝      福田龍青

霧湧きて変身できるやも知れず

真夜中の電気工事や雪催      山口美智

天高し今日用があるありがたし

茸狩や少年の目をとりもどす    野間しげる

はげましを言ふ錦秋の大樹影

碧空に吊す鳥籠冬初め        安江利子

副主宰詠

秋灯端切れを延ばす鏝アイロン

紅葉狩木の間隠れに白き富士     籠田幸鳴

 

​駅ピアノ弾く旅人や秋ともし

ぐりとぐら読み聞かす夜や秋ともし  前田勝洋