アクアモザイク

月刊誌「天穹」
令和四年十月号より

風尚

​八十歳まで今の水着を着るつもり  荒木洋子

​打ちし蚊の血に溜飲を下げにけり  上田時生

行水の落着かぬ子を洗ひきる    阿部栄子

風韻

豪快に極暑飲み干す大ジョッキ   斉藤雅はる

風入れて草刈る音も入れて句座   石井九峰

​父母を過ぎたる齢かぼちや喰ふ   藤栄誠治郎

         

風霜

蝉の殻出自は全て脱ぎ捨てて     白木伸子

沖雲の白きを映すサングラス     野末一郎

​ひと皿の鰻ざくの愉悦冷酒酌む    川畑 薫    

   

花篝

「閉店」と薬局のドア半夏雨     堤 麗子     

句に倦み戻る浮世や蝉時雨      折中美佐子

​日焼子の声と連弾寄する波      阿部りえこ