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月刊誌「天穹」
令和五年八月号より
風尚
ばりばりとヘリの旋回街薄暑 福井まさ子
十薬の庭にも固定資産税 藤原基子
翡翠の一矢となりて漁れり 前橋竹之
風韻
太宰忌や上水蓋ふ五月闇 松村義隆
本復の試歩梔子の花ゆるむ 斉藤雅はる
マティス展オーデコロンとすれ違ふ 島田道世
風霜
子つばめを数へ自動車整備工 高野紀子
瞼重きマリア観音沙羅の花 飯塚佐保子
帰り来ぬ山びこありぬ花空木 坂口明子
花篝
ジャズセッションの野音に響く夏の夕 小川真由美
父の日やピースの缶に父を嗅ぐ 松尾悦子
髪白き竹馬の友や新茶汲む 坂田泰文
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